2児のパパライターの「子育て」と「写真」と「仕事」

新丸子の喫茶店で知り合って交際4カ月で結婚した夫婦の記録

雨の前に古傷がうずく

僕には、日常生活で役立つ能力がある。
それは、雨を予報できることだ。

7月31日、沖縄県台風6号が発生したとニュースで見た。台風は強烈な低気圧のことだ。僕の体は、この低気圧の変化に敏感らしい。実際、台風発生のニュースを見ていなかったにもかかわらず、天気が崩れることや雨が降ることを予想できた。

さらに、僕が住む首都圏では8月1日、ゲリラ雷雨に見舞われた。昼間でも、稲妻がすごかった。

twitter.com


雨の予測は、僕が気象予報士の資格を持っているわけでも、自宅の庭に百葉箱を置いて温度や湿度を記録しているからできることではない。


僕に雨の予報を助けてくれるもの。それは、頭の傷である。俗に言う「古傷がうずく」ってやつだろう。

なぜ僕がこんなふうになったかを詳しく話すと長くなるので、かいつまんで説明する。

頭蓋骨に穴を開ける手術をした

話は、29歳のときにまでさかのぼる。現在、僕は39歳なので、10年前のことだ。当時、僕は慢性硬膜下血腫という病気にかかり、緊急入院をして、頭蓋骨に穴を開けて手術を受けた。

慢性硬膜下血腫とは、頭頭をぶつけることで、頭蓋骨と脳の間にある硬膜という膜の下に血液が溜まっていく病気だ。

少量の出血では異変は感じられないが、出血量が増えると、頭蓋骨と脳との間の空間が血液で満たされていき、脳を圧迫し始める。実は脳はとっても柔らかいため、圧力に弱いそうだ。MRI検査を受けたところ、僕の左側側頭部の下に溜まった血液が脳を右側にぐいっと押している様子が見てとれた。変形した自分の脳を見て、僕は恐怖心を抱いたとともに、「こんなに形が変わっても生きていられるってすごいな」と人体の強さを感じた。自分の体を頼もしく思えた。

この状態をどうにかするには、血液を取り除くしかなかった。僕は側頭部の頭皮にメスで切開し、頭蓋骨をドリルで穴を開けて、そこから血液を吸い取る手術を受けた。

人に話すと驚かれるのだが、この間、僕にはずっと意識があった。おそらく僕の意識があるかを確認したかったのだろう。先生たちはごく自然に僕に話かけた。頭に相当の違和感を抱いたものの、麻酔が効いていたので痛みはない。僕は普通に声を出して医師の呼びかけに返事をした。手術中に流れていたBGMは、三代目J Soul Brothersの「Best Friend's Girl」だった。当時務めていた会社の同期とカラオケでよく歌っていた曲だ。


www.youtube.com

 

術後に感じた体の変化

手術はうまくいき、先生たちのおかげで、僕は回復した!

しかし、メスを入れ、頭蓋骨に穴を開けたわけなので、多少なりとも体はダメージを受けた。大きな変化は、雨が降る前に傷口あたりがずきんずきんと痛むとともに、顔の左側が重たく感じるようになったことだ。そして、左目を開けづらくなる。

手術を受けてから10年が経つので強い痛みはもうないが、左側が重たくなったり、ピリピリとする感覚は今でもある。このピリピリした感覚を覚えると、天気が悪化したり、雨が降ったりする確率が高い。

不思議なのは、台風が上陸する前には痛みをあまり感じず、はるか南方の海上で発生した際には強く感じること。どういう理屈かはわからない。


傷を負ったことで、以前よりも自分の体の声を聞くようになった

雨の前に体が反応するようになって何がいいって、傘を持参すべきかを判断できることだ。いや、冗談。もちろんそれもあるが、一番は自分の体調を考えて行動できることだ。頭がピリピリとし始めたら、「無理しちゃダメだな。睡眠を多めに取らなきゃいけないな」のように体をいたわるようになる。古傷があることで、前よりも体の声を聞くようになった。

見方によっては、無茶がきかない体といえる。しかし、無茶をしないから長持ちする体になったと僕は前向きにとらえている。20代のころは体力はあったものの、過密スケジュールをこなし、体を酷使していたからか、頻繁に体調を崩した。病院にばかり行っていた。ところが、30代になってからはほとんど体調を崩したことがない。いつも体は軽いし、筋肉もついてがっちりした体格になった。結婚して家庭を持ち、父親になった責任感を抱いていることも大きいだろうが、無茶をしない生き方にシフトしたことが要因だと僕は思っている。

 

お読みくださり、ありがとうございました。

薗部雄一

charoma0701@gmail.com

 

ライターの実績はこちらに掲載しております。

www.wantedly.com

 

noteで子育てや夫婦観、家族について思うことを書いています。

 

note.mu

 

記事のアイキャッチに使える写真を販売しているよ♪ 

snapmart.jp

 

インスタグラムはこちら→

読者登録はこちらからお願いします^ ^